my very precious days ーHIROSUE TOMOKO

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デルちゃんを追って

アメリカ、そしてヨーロッパ旅行まであと2週間を切り、毎日ばたばたと過ごしています。このところは旅の最大の目的であるデルちゃん(土佐義和神父さま)の故郷、ベルギーでの体験を実り多いものにするため、彼の生い立ちから、やがて日本へと渡るまでの足跡をたどる作業をしています。
 基にしているのは、デルちゃん自身が自分の半生について書き残した9冊の回顧録。得意のリノリウム作品をふんだんに用いて、生まれ育ったコルトレイクの風景や、神学校時代を過ごしたツルンハウト、そして高知の風景を鮮明に描くとともに、ぎっしりと文章が書き込まれています。ただし、私にとっての難点は、その文字が、フラマン語(オランダ語の一方言のようなもののようです)であること。彼は、それを日本語で書き、「日本の、高知の、中でもキリスト教徒でもない普通の人々」に読んでもらいたかったようですが、高齢になってから書き始めたこともあり、やはり、いちばん書きやすいのはフラマン語だったようなのです。
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 しかし、助けてくれる人を神様は見つけてくれました。5月に東京で出会ったベルギー人のゴーセンス神父様もそうですが(彼が突然訪ねて行った見知らぬ私のために、9冊をその場で読んでくださったお陰で、9冊目の最後の最後に私のことがいっぱい書かれていること、デルちゃんがいかに私と娘のことを心配していてくれていたか‥が分かったのです!)、その後、なんと足下の高知県立大にベルギー人のジョエル・ヨース准教授が本の翻訳に全面的に協力してくださることになり、私の旅に合わせて、今、4冊目までをICレコーダーに日本語で吹き込んでくれたところなのです。で、私はと言えば、毎日、そのテープ起こしに励んでいるというわけです。
  最初の方、コルトレイクでの少年時代を綴った文章を聞いていると、まるで、ライフイズビューティフルやニューシネマパラダイスのような、第2次世界大戦前後のヨーロッパの子どもたちを取り巻く風景を描いた映画を見ているよう。ペンキ屋さんを営むお父さんと、裁縫や料理が得意なお母さんの間に生まれたやんちゃな9人きょうだい。その真ん中がデルちゃんで、豊かな愛情に包まれたとても幸せな少年時代を過ごしたことが、たくさんのエピソードから伝わってきました。
 そして戦争中だった学生時代を終え、やがて神父となって、日本への布教を決意するまでの気持ちの変化。さらに、高知に来てからの、神父としての活動と、1人の人間として生きていくこととの葛藤‥。いまやっと、そのあたりまで読み進めたところです。
 
 そんな中、今日は夜須まで行く用事があったついでに、安芸まで足を延ばしてきました。というのも、デルちゃんの宣教師としての最初の赴任地が安芸のカトリック教会だったのです。本には、50年前、とても小さな漁業の町だった安芸で、彼が初めて、日本の被差別部落の問題に行き当たり、そして、そこでの暮らしにもっと溶け込み、人々の気持ちを理解したいと願った気持ちが綴られていました。そのために、彼は教会のすぐ前にあった、安芸中学校に生徒として通い、いろんな生徒や先生たちと交流して、ちゃんと卒業証書も手にします。今では、考えられないことが、その当時はできたんですね‥。
 
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私が安芸の教会を訪ねたのは今日が初めて。デルちゃんの本にあった通り、海沿いの道を探していると、すぐに分かりました。小さいながらもちゃんと塔のある、赤い屋根の教会。こんな素敵な教会が、安芸の海沿いにひっそりとあるとは恥ずかしながら今まで知りませんでした。当時はきっと周りも木造の古い家ばかりだったことでしょう。ここで、デルちゃんも、そして、来月、ベルギーに私が行った時、いろいろとお世話していただくことになっているデフロイト神父さまも、日本での布教活動をスタートされたのです。
デルちゃんの本によると、安芸に来て最初の年に、初めての台風を体験し、それがどんなものなのか五感で感じ取りたくて、すさまじい風雨の中をすぐ近くの堤防まで歩いていったそう。後で台風の時に外に行ってはいけない、と近所の人からも強く言われたようで、以来、「(私が)台風好きだっていうのは、人には言わないようにしてる」とユーモアたっぷりに書いていました。最後に、その時、デルちゃんが眺めたであろう近くの海(今日はとっても穏やかでしたが‥)の風景も載せますね。人気ブログランキングへ
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by hirotomo0301 | 2011-09-25 20:13

21年間続けた一地方紙の記者の仕事から足を洗い、2カ月半の世界13カ国周遊1人旅から帰ってはや半年。過去の日々を振り返りつつ、次の一歩を模索していきます。


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