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聖地イスラエル2

 現在のイスラエルの国土は四国より一回り大きい21000平方メートル。土地の起伏が非常に激しく、2000年前、キリストの弟子、ペテロやアンデレが漁をしていたガリラヤ湖は海面下210mの世界で最も低い淡水湖。そして、塩分が35%もあり、海に浮かんだまま新聞が読めることで有名な死海は海面下400mと世界で最も低い場所なのだそうです。そのすぐ隣にあるエルサレムは海抜800mで、古代から、人々は崖を上ったかと思えばて地の底ほどにまで下る道のりをひたすら歩いていたのだと思います。
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 こちらでの一週間は毎日が快晴。雨期に入っていましたが、こちらの雨は降ってもしれているほどなのだそう。それでも、テルアビブやハイファなど地中海沿岸や、ガリラヤ湖周辺などの主に北部はエメラルドブルーの水に緑の木々、それに、もう11月だというのに花々が咲き乱れ、ヨーロッパともアジアとも、そしてハワイなどの南の島とも違うここだけの美しい風景が広がっていました。
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 しかし、そんな緑化地帯は国土の40%ほど。残りの60%は岩山か砂漠。いわゆる聖書で「ユダの荒野」と言われるところです。ここも、世界のほかのどんな砂漠とも違って、まさに「荒野」という言葉がぴったりな、薄い黄土色の石灰石の岩山がクレーターのように一面に続いています。砂ぼこりが舞い上がるわけでもないのに、死海の向こうは白くかすんで対岸のヨルダンはうっすらとしか見えません。空も、地も、水の色も、全体的に薄くかすんでいる感じです。こうした道を歩き続けた古代の人々に思いをはせることは、高級バスで快適に行く私たち現代の巡礼客には無理なことかもしれませんが、せめて、彼らも踏んだ同じ石の上を自分の脚で歩き、手で触れたい、そんな思いで世界中から巡礼者がやってくるのでしょう。
 バスでガリラヤ湖からヨルダン川の方角に進んでいくと、やがて道の両側にフェンスが張り巡らされた地雷田が広がる地帯に行き当たります。キリストが洗礼者ヨハネから洗礼を受けたとされる場所は、ちょうどイスラエルとヨルダンの国境。兵士たちが巡礼客を監視するかのように、対岸を見張り続けていました。
 
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 すぐ近くにある、新約聖書にキリストが徴税人ザアカイの家に泊まったことが記されているエリコの町は、今はパレスチナの暫定自治区。私たちの載ったバスの運転手さんがイスラエル人で、そこに入るにはバスを乗り換えなければいけないといった事情から、行くことはできませんでした。
 現在、イスラエルの人口770万人のうち74%が、世界100カ国以上から帰国したユダヤ人、残りの160万人がイスラエルの市民権を持ったパレスチナやアラブの人々。現在、パレスチナ自治区になっているガザと、西エルサレム地区には合わせて350万人の、イスラエルの市民権を持っていない人々が暮らしているそうです。
 こちらに20年以上暮らし、イスラエル国籍を持っている日本人のガイドさんによると、ガザは聖書の中で約束された土地でもなんでもないから、イスラエルはあっさりと撤退し、パレスチナ自治区となりましたが、西エルサレムの方は、イスラエルからの入植者の数も桁違いなのに加え、聖地も数多くあることから、簡単には撤退できない事情があり、この地に真の平和が訪れるのはやはり簡単ではないようです。外見が日本人であることから自身も差別を受け続けてきたというガイドさんは、「西エルサレムにイスラエルがパレスチナ人のために国をつくるのは、お互いのためにいいこと。その際は、両方の民族が同等の立場をつくって、お互いに責任を持って国づくりをしていくことが大事。そもそも、イスラエルの市民権を持つパレスチナ人は多いのに、パレスチナの市民権を持つユダヤ人がいないという現状がおかしく、パレスチナ国家ができたとすれば、そこに入植していたユダヤ人はパレスチナの市民権を持つようにすればいい。もっとも、パレスチナ人も『ユダヤ人がいい生活をしているのは国があるから。国さえできたら、自分たちの生活が楽になる』と考えている人が多く、その意識を変えない限り、国を与えてもうまくいかない」と元日本人ならではの見方で説明してくれました。そして、イスラム教のジハードの考えなど、「宗教が、若い人を自分たちの利益のために使い捨てているのは大きな問題。聖職者が人間の命を尊んでくれれば世界平和に近づくのに」と。私もそう強く思いました。一つ一つの宗教は決して命を軽んじているわけではないはずなのに、なぜ、聖地で紛争が絶えることがないのか。どうか、こんな悲しい歴史には早くピリオドを打ってほしいー。毎日、あちこちの由緒ある教会でそう祈りました。
 
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by hirotomo0301 | 2011-11-16 09:44

21年間続けた一地方紙の記者の仕事から足を洗い、2カ月半の世界13カ国周遊1人旅から帰ってはや半年。過去の日々を振り返りつつ、次の一歩を模索していきます。


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