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初めての台湾〜2 感激の出会い

 坂本龍馬財団による台湾の旅。続きを更新するのが遅くなりました。
 この旅の最大の目的は、そう、戦後の台湾の民主化を血を流すことなく進め、台湾の龍馬ともいっていい大人物、李登輝元総統の快気祝いに伺うことでした。龍馬をこよなく愛し、龍馬の船中八策を自らの指針ともしてきた李登輝氏は2年前、東京で日本に講演に訪れた際、どうしても桂浜の龍馬さんに会いたくなり、その翌日、夫人とともに急遽、桂浜へ来られました。そして龍馬記念館にも立ち寄られ、出迎えた森健志郎館長はその深い志、魅力あふれる人柄に心が沸き立ったと言います。そして、今年、李登輝氏が病気で手術をしたとニュースで知り、ぜひともお見舞いに伺いたいと電話したところ、もうすっかり元気になったので、それならどうぞ快気祝いに来てください、と言ってくださったのです。
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 台湾2日目の午後。緊張でこちこちになる私たち一行の前に、李登輝氏は待ちかねてましたよ、と言わんばかりに、満面の笑みで歩いて来られました。190センチはあろうかという背の高さ(本当は183センチのようです)、大きな体、大きな頭。真っ白いシャツをぱりっと着こなして、颯爽と現れ、真ん中の大きい椅子にどっかりとお座りになられました。
 李登輝氏は早くお話をされたいようでしたが、まずは高知から持ってきたお土産攻めに。台湾の国花であり、才谷家とも由来の深い梅の花を描いた絵や、帽子デザイナーの山本正子さんが李登輝氏をイメージしてつくったテンガロンハットなどなど。それに、ギターヂュオいちむじんの2人と、龍馬の手紙を歌にしているOTOGIの2人がそれぞれに想いを込めた演奏を捧げ、李登輝氏はにこにこと、また時にはじーっと耳を澄まして心から喜んでくれているのが分かりました。
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 そして、李登輝氏がいよいよお話をしてくださることに。ここでは長くは書きませんが、そのお話はご自身がいま、「20世紀は人類に何を与えたか。何を残したか」というテーマで論文を書いているところであることから始まり、龍馬について、「日本に黒船が訪れ、幕府がその対処に困っていたあの時代、まだ20歳にもならない龍馬が当時誰も考えなかったこと、つまり大政奉還ということを考えた」と評価。その龍馬に見習って「台湾においても無血の、静かな革命によって、独裁的な政治からの自由化を目指した」と政治家としての自らの歩みを語られました。
 さらに、幕末と今とを重ね合わせ、「龍馬は日本が黒船で困っているとき、日本がどうすべきかをはっきり示した。封建的な社会にあって自分の考えを遂行し、命を投げ出してやった。今も幕末と同じ。世界の秩序が崩壊し、国際的な問題となっているが、龍馬のような政治家は見られない。今こそ総理大臣になるために大臣になったような政治家ではなく、国際問題に対処できる龍馬のような人材に出てほしい」と力を込めて話され、日本について深く憂慮されているのが伝わってきました。
 病み上がりにもかかわらず、李登輝氏は本当にお元気な様子で、まだまだ話し足りないといったお顔。なんと、私たちにとってはサプライズの、夜の一席も設けてくれることになりました。
 ここでも李登輝氏は昼間の疲れも見せずににこにこと現れ、「秘蔵の紹興酒を持ってきた」と上機嫌のご様子。台湾の伝統料理を前に話は尽きることなく弾み、私たち龍馬財団の一行、1人1人と本当に親しく話してくださいました。元総統という偉大な、普通ならば滅多にお会いすることなどできないような方がここまで誰とでも気さくに接してくださるとは‥。「政治家」というだけで好きになれない人が多い私にとって、李登輝氏はその概念を打ち破る、本当に素敵な方。一目で好きになりましたが、間近でお顔を拝見し、お話を聴くほどに、なんて素晴らしい方なんだろうと感激しました。
 
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 李登輝氏は私ごときにも親しくほほ笑んでくださり、持って行っていた最新刊の御著書に、私の名前を「末広という名字はよくあるけど、広末は珍しいね」と言いながら、丁寧にサインもしてくださいました。李登輝氏は熱心なクリスチャンでもあり、私が聖書でいちばんお好きなところはどこですかと聞くと、「復活したイエスをこの目で見なければ信じないと言ったトマスに対し、イエスが『信じない者ではなく信じる者になりなさい』『見ないで信じる人は幸いである』と言われたところだ」と話してくださいました。この箇所に深い感銘を受け、ご自分も「見えないものを信じることのできる人間になりたい」と思われて受洗を決意されたそうです。洗礼名はトマス。「一国のリーダーたるものは信仰がなければならない」とも言われ、それは「一番に、孤独だから。私も孤独だった」と言われました。人智を超える存在を信じることが、人間としての奢りを持たないことにつながることも理由なのではないかと御著書などから思います。そして、「人間としていちばん大事なのはロマンスだよ」とも。最愛の夫人へのメッセージが込められているようで、本当に、愛情深い、優しい方なのだなあとしみじみ感じ入りました。
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 台湾龍馬会の方々の熱烈な歓迎もあり、美味しい紹興酒にワインも回って、会場は大盛り上がり。いちむじんも坂本登さんも台湾の方々も次々にマイクを握り、楽しい夜はあっという間に過ぎていきました。ここでも李登輝氏はまだまだ帰りたくないといったご様子でしたが、秘書の方に促されて仕方なく?お帰りに。一人一人と握手してくださり、大きく笑ってSPの方に守られながら階段を下りてゆかれました。
 本当に、温かい人柄が大きな体にみなぎった魅力あふれる偉大な方。李登輝氏にお会いできたことは素晴らしい神さまのお恵みと思います。お聞きした一言一言を忘れないようにしたいと思います。人気ブログランキングへ
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by hirotomo0301 | 2012-07-30 00:46

21年間続けた一地方紙の記者の仕事から足を洗い、2カ月半の世界13カ国周遊1人旅から帰ってはや半年。過去の日々を振り返りつつ、次の一歩を模索していきます。


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