ヨース先生
出発まであと1週間! 来週の今ごろは東京・世田谷の松原教会で、最初にデルちゃんの本を訳してくださったゴーセンス神父さまとお会いしてから、翌日に成田からアメリカへ発つ予定です。
さて、このところはずっと、デルちゃんの本の日本語訳のテープ起こしに追われていた私ですが、それをICレコーダーに吹き込んでくれたのが、高知県立大文化学部准教授のヨース・ジョエル先生。私より若い40歳のベルギー人で、岡山出身の奥様との間に2人の男の子のいるお父さんでもあります。
ヨース先生は3年前に岡山から高知に来られ、同じベルギー人ということでデルちゃんを紹介してもらい、版画展を観に行くなど、親しくなる機会をうかがっていたそう。でも、この3月にデルちゃんが急逝してしまったことで、それもかなわなくなり、残念に思っていたところに、私からデルちゃんの遺した本の翻訳を依頼され、喜んで引き受けてくださいました。これも本当に不思議な縁ですよね。
ヨース先生は、日本思想史や日本文化史などがご専門で、研究室の本棚には専門書がずらり。私などよりもずーっと日本史に詳しい、本物のスペシャリストです。ベルギーの戦前、戦中の様子から、戦後の日本の印象まで細かに記されたデルちゃんの本を訳してくださるのには、まさにぴったりな方で、デルちゃんもきっと喜んでいることと思います。
それに、PCのスピーカーから聞こえてくる、ヨース先生の声がすごく耳に優しい‥。デルちゃんのユーモラスな文章を、ヨース先生がこれまたユーモラスに、時々は先生なりの解釈を加えながら読んでくださっていて、その最初のリスナーである私はとっても幸せだなあと毎日思いながら聞いていました。
ヨース先生とお話させてもらっていると時間があっと言う間に過ぎていきます。ベルギーには偏差値という価値観が存在しないことを聞いてびっくりしたり、日本の大学も目先の就職率などに追われるのでなく、例えば卒業生が5年後に何をしているかといった追跡調査をする方がずっと意義があるのではないかといった提言に、その通りだなあと思ったり。考えさせられることがいっぱいあって、とてもいい刺激になります。高知の未来ある若者のためにも、ずっと県立大にいてほしい先生です。
ヨース先生、またいっぱいお話しましょう。これからもどうぞよろしくお願いします。
by hirotomo0301
| 2011-10-01 18:42